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『和製漢字の小辞典』5〜6画
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- 【瑣−貝+月】 『中華字海』に「音義待考。字出《
ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。『名義抄(観智院本)』に「音肖 クサリ トラル ホタル」とあり、書名に『[瑣−貝+月]玉集』がある。JIS補助漢字で『大漢語林』に「瑣」の俗字とある。和製異体字か。(解説途中)
- 【瓧】 デカ(十)グラムの意の国字。『中華大字典』・『辭源』などが日本字とする。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して
1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた」とある。小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』・『日本メートル法沿革史』にも詳しい。
- 【瓩】 キロ(千)グラムの意の国字。『メートル法単位を表す国字の制作と展開』に『日本建築辞彙』は、「[瓦+千]に作るが(中略)活字の制約やデザインによろう(下略)」とある。『漢韓最新理想玉篇』は韓国国字とするが中国と同じkwの意味で、日本がkgの意味で使い始めた方が両国より古く、国字である。立偏・米偏の単位を表す国字も両国に輸出され、使われたことがあるが、現在両国とも使われていない。「瓧」を参照。
- 【瓦/万】 ミリア(一万)グラムの意の国字。『中華大字典』が日本字とする。
- 【瓲】 1トン(屯)の意の国字。「瓧」を参照。
- 【瓰】 デシ(
1/10)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
- 【瓱】 ミリ(
1/1000)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
- 【瓸】 ヘクト(百)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
- 【甅】 センチ(
1/100)グラムの意の国字。「瓧」を参照。
- 【瓦/泉】 『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」、『和字正俗通早大本』に「ツチタラエ」とある。[楾]・[瓦/樂]参照
- 【瓦/樂】 『新撰字鏡天治本』に「波尓佐不」とある。[楾]・[瓦/泉]参照。
- 【甼】 『中華字海』に「音義待考。字出《
ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とあり、「町」の和製異体字か。JIS漢字の出典は、情報処理学会漢字コード委員会『標準コード用漢字表(試案)』(1971)である。笹原宏之著『「JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に詳しい。『漢字百科大事典』「浄瑠璃外題」に「糸櫻本甼育(いとざくら ほんちょうそだち)文化10年初出」とある。
- 【畑】 『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に[火*田]があり、火田からこの字ができ、のち動用字として「畑」ができたものと考えられる。古字書には「ハタ」とのみある場合が多く、畠の「ハタケ」と使い分けがあったのであろうか。『弘治二年本節用集』に「ハタ 山ノ畠」とある。平地における水田に対するものが「畠」、山で焼き畑などを行うものが「畑」という使い分けがあったものであろうか。『米沢文庫本倭玉篇』・『増刊下学集』・『明応五年版節用集』・『天正十七年本節用集』・『大谷大学本節用集』・『早大本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』・『異體字辨』・『和字正俗通』・『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「ハタ」、『合類節用集』に「ハタ 字未詳」、『同文通考』に「ハタ 漢語抄ニ火田ニ作ル」とある。『運歩色葉集』に「ハタケカサ」とあるが、皮膚病の「ハタケ」のことであろう。なお字喃に灯台の意味を表す熟語を作る文字であるが、国字には違いないであろう。[火*田]・「畠」参照。
- 【火*田】 『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「火田 ヤキハタ」とあり、「火田」を合字して、この意をあらわしたものか。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『黒川本色葉字類抄』に「ハタ」とある。「畑」参照。
- 【畠】 『倭名類聚抄(眞福寺本)』・『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』が漢籍『続捜神記』を引くが、佚書であり『箋注倭名類聚抄』では「白田」とあるため書写時の誤りも否定できない。国字であるか否か難しいところである。『中華字海』は「同[巛*田]」とするが、典拠がなく、詳しいことはわからない。『名古屋市博物館本和名抄』に「ハタケ 粟田
アハタ 豆田 マメフ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「ハク ハタケ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『有坂本和名集』・『明応五年版節用集』・『大谷大学本節用集』・『天正十七年本節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』・『両足院本節用集』などに「ハタケ」、『篇目次第』に「ハク反 ハタケ 无 日本ニテ作之」、『音訓篇立』に「ハク音 ノハタケ ハタケ ヲカス」、『玉篇要略集』に「ハタケ ハク」、『合類節用集』に「ハタケ 又陸田同 順和名」、『異體字辨』に「はた」、『同文通考』に「ハタケ 陸田也(下略)」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「ハタ」とある。『増刊下学集』・『和字正俗通』にも「ハタケ」とあるが、前者は「白」が「自」に、後者は「田」が「曰(ひらび)」になっている。「畠」が「白田」の合字とすると、異体字というより誤字の範疇に入ってしまうのであろうか。「畑」参照。
- 【畩】 苗字に畩ヶ山(けさがやま)がある。鹿児島県曽於郡末吉町の地名に畩ヶ山(けさがやま)がある。
- 【畳】 『日本語の現場第2集』に「当用漢字表に採用された文字の中で唯一全く新に作られた字体の漢字。活字字体整理協議会案であった「疂」、これを「畳」にすべきだと字体委員会で提案したのは、カナモジカイ理事長の松坂忠則委員である。」とある。当用漢字制定以前に使われていた「畳」の字体を見ると「疂」の[軣−車]が無いものもあるが、[畳−田]の部分がより簡略化されていたりして、「畳」と全く同じ字体のものは、今のところ発見できていない。ご存じの方は、典拠とともにお知らせいただきたい。『中華字海』に「見日本《常用漢字表》」とある。「疊」の和製異体字には間違いないのであろう。『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『両足院本節用集』に「疂 タヽミ」、『堯空本節用集』に「[疂−且+互] タヽミ」とある。
- 【田*町】 『同文通考』に「布帛ノ幅也」とあり、漢和辞典などの解説もこれに準じたものになっている。『和字正俗通』に「ノ」、『國字考』に「ノ 布帛乃幅(中略)古本節用集[田*町]交[絵−会+晃]と見え(下略)」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「ハバ」、塙保己一編『武家名目抄』に「[田*町][遖−南+車] のれん」とある。『書言字考節用集』に「一[田*町] ヒトノ 又作[(田△田△田)*貝]」とある。後者も国字であろうか。
- 【症】 『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「シャウ」とあり、『国字の字典』が国字とする。『簡化字源』が宋代の『文渓集』に「症候」とあるのが、「症」字の始見とする。漢字そのものである。『合類節用集』に「病症 ヒャウシャウ」とある。
- 【癌】 『平凡社世界大百科辞典』に「〈癌〉という字は,清代の有名な《康煕字典》
(1716)には出ていないので,和製漢字といわれていた。しかし明らかに中国製で,12世紀に書かれた《衛済宝書》には〈癌〉の字がみられ,また中野操の研究によると,南宋の楊士瀛(ようしえい)の《仁斎直指方》(1264)に〈癌〉の字と症状についての記載がなされているという。ほかに〈岩・[D26D]・嵒・巌〉などの文字も用いられた。」とある。
- 【癪】 癇癪などと使う国字。癪ノ瀬(しゃくのせ)は宮崎県延岡市の地名。『中華字海』が『広州話方言詞典』を引いて「疳積」とする。典拠として古いものがないため日本の用法の影響とも考えられる。その場合は国字ということになるが、このあたりの方言文字が日本に入って使われたものもある。これらの文字が、北京などで作られた字書にないことから国字とされていることもあるので注意を要する。
- 【硲】 『新刊節用集大全』に「ハザマ」、『和字正俗通』に「ハサマ」とある。『難訓辭典』に越後國三島郡硲田(はざまだ)村とある。『国語学研究と資料』所収の『地域訓の一考察―「硲」字の歴史と地名用字訓―』に詳しい。(解説途中)
- 【硴】
- 【碗】 『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)「ワン」とあり、『国字の字典』が国字とする。(解説途中)
- 【碵】 音義未詳とされることがあるが、『伊呂波字類抄(早川流石写)』に「ツミイシ 柱下石 イシスエ」、『篇目次第』に「柱下石 无」とあり、『龍龕手鑑』が[砲−包+眞]の字で「正音眞柱下石也」とする。この場合は[砲−包+眞]の異体字といえる。苗字に碵(せき)があり、名乗りに碵人(ひろと)がある。人名の例は「碩」の異体字と考えられる。前項参照。
- 【穃】 笹原宏之著『「
JIS X 0208」における音義未詳字に対する原典による同定』に、「JISの典拠は『国土行政区画総覧1974.06』の沖縄県中頭郡美里村古謝小字穃原(ようばる)である。1995年現在、沖縄市役所の固定資産税課によると、ここは「榕原」と書くもので、現存している1983年の土地台帳、公図でも同様という。」とある。
- 【稼−家+最】 苗字に[稼−家+最](さい)・[稼−家+最]所(さいしょ)がある。[稼−家+最](さい)・[稼−家+最]東町(さいひがしまち)岡山県岡山市の地名。
- 【竍】 デカ(十)リットルの意の国字。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた」とある。小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』・『日本メートル法沿革史』にも詳しい。『日本人の作った漢字』に「漢字にその字形がある」とあるが、日本の国字を輸入したものである。
- 【竏】 キロ(千)リットルの意の国字。「竍」を参照。
- 【竕】 デシ(
1/10)リットルの意の国字。「竍」を参照。
- 【竓】 ミリ(
1/1000)リットルの意の国字。「竍」を参照。『日本人の作った漢字』に「漢字にその字形がある」とあるが、日本の国字を輸入したものである。
- 【竏−千+升】 『新大字典』に「国字 一リットル」とある。(解説途中)
- 【竡】 ヘクト(百)リットルの意の国字。「竍」を参照。
- 【竰】 センチ(
1/100)リットルの意の国字とする。「竍」を参照。
- 【笂】 群馬県前橋市に笂井(うつぼい)町がある。『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にあるこの町名がJISの原典典拠」とある。
- 【笹】 笹原宏之著『「佚存文字」に関する考察』に、「世の異体字として周代の金文にあるが偶然字体が一致したにすぎず佚存文字ではない」とある。『異體字辨』・『和字正俗通』・『國字考』に「サヽ」、『同文通考』に「サヽ 小竹也」、『俗書正譌』に「さゝ 和製と見えて字書になし」、『漢字要覧』に「笹ノ字ハ、葉ノ字ヲ[笹*木]ト書セシヨリ、ソノ下ノ木ヲ省キテ、ささノ義トナシタルモノ」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「ササ」とある。『中華字海』には「同[屋−至+世]。見日本《常用漢字表》」とある。『中華字海』・『漢字要覧』の注文からすると、「世」の異体字と「葉」の和製異体字の別字衝突ということになる。
- 【篏】 『漢語大字典』・『漢語大詞典』・『中華字海』がともに『西遊記第二十三回』を引いて「同嵌」とする。日中とも同じ意味であるが、典拠が古いものがなく、国字か否か難しいところである。
- 【簓】 苗字に簓(ささら)がある。『温故知新書』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』に「[笠−立+彫] サヽラ」、『弘治二年本節用集』に「編木 サヽラ 又作簓」、『永禄二年本節用集』に「編木 サヽラ [笠−立+彫]」、『堯空本節用集』に「編木 サヽラ 簓」、『新刊節用集大全』に「さヽら 小兒之翫具」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「[笠−立+彫] ササラ」とある。[笠−立+玩]参照。
- 【簗】 『国字の字典』が『広辞苑』から「やな」と引き国字とする。『中華字海』が遼時代の墓誌を典拠に「築」の「訛字」とする。『法華三大部難字記』に「チク ツク」とある。やや崩れた字形で『有坂本和名集』・『運歩色葉集』に「ヤナ」、『同文通考』に「ヤナ 譌字 梁也」とある。『名義抄(観智院本)』に「築」と「簗」の中間的字形が見られ、『拾篇目集』には、「築」のやや崩れた字形で、「チク反 ツク ヤナ クハタツ」とある。中国ばかりでなく日本においても本来「築」の異体字として存在した文字であった可能性があり、「梁」と字形が近いことから、「梁」に竹冠を付けてできた「ヤナ」の意の国字として字源俗解されたものか。
- 【籏】 『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「JISの原典典拠は『国土行政区画総覧』にある埼玉県の籏居(はたい)」とある。『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「白籏世界樹樹鏡(ぎんせかい きごとのかおみせ)天保9年11月初演」とある。『正楷録』が「旗」の倭俗訛字とする。
- 【籵】 デカメートルの意の国字。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』に「中央気象台でメートル法を表す記号を研究して 1891年7月1日各気象台に通知し、気象観測の月報などに使い始めた。中国では19世紀末から教科書や科学書に、日本から伝わった「粁」や「瓩」等が体系的ではないが使われ始めた」とある。笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の漢字圏各国における衰退』、小泉袈裟勝著『度量衡の歴史』・『日本メートル法沿革史』にも詳しい。『字彙補』・『康煕字典』などに「古[距−巨+番]字」とあるが、笹原宏之著『メートル法単位を表す国字の製作と展開』によると『古今韻會擧要』にある類似した文字を誤刻しているとのことである。国字としてよいと考えられる。
- 【糎−里】 『読む日本漢字百科』に「糎([糎−里])センチメートル」とあり、「糎」と同意の国字としていることがわかる。
- 【粁】 キロ(千)メートルの意の国字。十一粁橋(じゅういちきろばし)は、北海道沙流郡平取町の地名。「籵」を参照。
- 【粂】 東粂原(ひがしくめばら)・西粂原(にしくめばら)は、埼玉県南埼玉郡宮代町の地名。『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「クメ」とある。『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「粂仙人(くめのせんにん)元禄元年2月初演」とある。『旺文社漢字典』に「国字 くめ」、解字に「形声。久
ク と 米 メ の音をとってクメの音を表した字」、意味として「くめ。姓名・地名などの「くめ」を表すのに用いる。」とある。『角川漢和中辞典』も同様の解説で、「米」の音「メ」が「ベイ」の転音であり、「ク」と「メ」の合字であるとする解説が追加されるのみである。これらの解説は、ごく普通の妥当な解説と考えられるかも知れないがそうではない。解字で、形声とするのが特によくない。形声とは、『大漢語林』には、「意味を表す部分(形)と発音を表す部分(声)からなる漢字。」とある。「粂」には意味を表す部分がなく、「ク」・「メ」ともに発音を表し、「メ」は漢字音ではなく、日本の慣用音である。六書は、漢字の成り立ちをあらわしたものであり、国字としながら六書を適用しようとすること字体に無理があるのである。『新大字典』は国字とするが、字義に「くめ。久米の合字。姓名・地名等に用いる」とするほか「齊の略字」とし、俗字として[条−木+米]を載せる。略字・俗字というのが日本でのみのことであれば、「久米を合字した国字」と「齊の略字」という形の和製異体字の別字衝突ということもできる。『中華字海』に「粂」は「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とあり、[条−木+米]は、「同齊。字見《字彙補》」とある。『大漢和辭典』には「粂」は「国字 くめ。久米の合字。@姓名・地名等に用ひる。A齊の略字。」とあり、[条−木+米]は『字彙補』を典拠に「齊に同じ。」とある。「齊」の意に用いられる「粂」と[条−木+米]の関係は、『新大字典』とその旧版である『大字典』にあるのみである。『字彙補』に「[条−木+米]與齊義同見〔五音集韻〕」とあることから、「粂」も「齊の略字」として用いられるようになったのであろう。これは日本でおきたことなのであろうが、この時点で、「久米の合字」としての「粂」ができていたかどうかが、国字とすべきか否かの分かれ目となる。国字「粂」に漢字「齊」の略字としての意味が加わった可能性と、齊の略字[条−木+米]の和製異体字としてできた「粂」に「クメ」の訓が加えられた可能性が考えられるが、『大字典』・『新大字典』が[条−木+米]を「粂」の俗字とするのは本末転倒であると考えられる。
- 【籾】 『国字の字典』が『和字正俗通』を典拠に「もみ」の意の国字とするが、『和字正俗通』の字形は、下に示したとおりである。『五音篇海』が『捜神玉鏡』を典拠に「音尼」とする。『名義抄(観智院本)』に「正(中略)チマキ カシキカテ [籾−刃+予 俗]」、『世尊寺本字鏡』に「チウ音 女救反 マウ音 モツ モミ 古籾[飯−反+刃] 雑也 粽也(下略)」、『有坂本和名集』に「モミ」、『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に「モミ 米 音尼」、『正楷録』(倭楷)に「末密」とある。『皇朝造字攷』は『続日本紀』などの典拠を示すのみで読みや解説は付けない。『玄應一切經音義』・『新撰字鏡天治本』に『世尊寺本字鏡』と同様な注文があり、『五音篇海』と『永禄二年本節用集』・『堯空本節用集』に同じ音注があることを考えれば、「モミ」は国訓であろう。『運歩色葉集』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』・『國字考』に「[籾−刃+刄] モミ」とある。「籾」と[籾−刃+刄]の中間的な字形で、『同文通考』に「モミ 穀也」とある。(解説途中)
- 【籾−刃+刄】 『運歩色葉集』・『大谷大学本節用集』・『和字正俗通』・『國字考』に「モミ」とある。『和爾雅』には、「倭俗ノ制字」として「モミ 殻ノ字佳」とある。「籾」の異体字にすぎず、国字とはいえないであろうが、和製異体字の可能性はある。「籾」参照。
- 【粉−分+万】 メリア(万)メートルの意の国字。
- 【粍】 ミリ(
1/1000)メートルの意の国字とされる。「籵」を参照。『米沢文庫本倭玉篇』に「カウ ツクル」とある。この場合は、「耗」の異体字であろう。『漢語大字典』に『改併四聲篇海』が『俗字背篇』から「知革切」と引くとある。明らかに同形別字であるが、漢字としての字形の方が先に存在している。漢字「粉(こな)」に対して「粉(デシメートル)」が国訓であるという取り扱いが一般的であることを基準にすれば、国訓といえるであろう。『中華字海』には『漢語大字典』のような解説はなく、mmの旧訳とのみある。
- 【粐】 粐薪沢(ぬかまきざわ)は秋田県秋田市の地名。『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にあるこの地名がJISの原典典拠」とある。「すくも」と読む辞書もあるが、「粭」の読みをあてただけで、根拠のないものであろう。
- 【粭】 粭島(すくもじま)は山口県徳山市の地名。『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にあるこの地名がJISの原典典拠」とある。『難訓辭典』に「周防國都濃郡粭島(すくもじま)村」とある。
- 【粫】 『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「『国土行政区画総覧』にある福島県の粫田(うるちだ)がJISの原典典拠。ただし、現地(白河市)の役所によれば糯田(もちだ)」とある。「糯」は苗字では「うるち」とも「もち」とも読まれる。「粫」が誤字としても「糯田」が「うるちだ」と呼ばれた時期がある可能性は否定できない。
- 【粨】 ヘクト(百)メートルの意の国字。「籵」を参照。
- 【糀】 『異體字辨』に「カウジ」・『同文通考』に「カウシ [麹(旧字体)]也」、『和字正俗通』に「カウチ」、『國字考』に「カウシ」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「カウヂ」とある。『和字正俗通』には、「糀」に対応する漢字として[麥+(句−口+米)]があげられている。『異體字辨』は、四画の草冠である。
- 【糎】 センチ(
1/100)メートルの意の国字。「籵」を参照。『読む日本漢字百科』に「糎([糎−里])センチメートル」とあり、[糎−里]の字形も「糎」と同意の国字としていることがわかる。
- 【糘】 『
JIS X 0208:1997附属書7(参考)区点位置詳説』に「JISの典拠は広島県の祇園町西山本糘尻(すくもじり)」とある。『日本地図帖地名索引』に同県の糘地(すくもじ)、『国字の字典』に岡山県久米郡久米町大字桑下字糘山(すくもやま)がある。
- 【絵−会+巴】
JIS補助漢字にある文字で、『大漢語林』は「絹糸の一種。薄くて光沢がある。」と解説し、国字とはしない。『大漢和辭典』にも「ハ 絹布類」とあるだけで典拠がない。中国でよほど使用頻度の低い文字なのか、『漢語大字典』にはなく、『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。
- 【綛】 苗字に綛田(かせだ)がある。『伊呂波字類抄(早川流石写)』に「子リ」、『異體字辨』・『和字正俗通』・『國字考』に「シヽラ」、『倭字攷』に『音訓國字格』を典拠に「シヽラ」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「[綛−忍+忍(旧字体)] カスリ」とある。
- 【緕】 「絣(かすり)」の意の国字とされることがあるが『中華字海』に「同纃」とある。「纃」は『漢語大字典』などが『大唐新語』から引用する。ともに国字ではないと考えられる。『運歩色葉集』に「アガク」とある。
- 【縅】 『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「ヲドシ」とある。(解説途中)
- 【絵−会+晃】 苗字に[絵−会+晃]岩(ほろいわ)がある(丹羽基二編著『姓氏の由来事典』(県別姓氏宮城県))。『運歩色葉集』・『増刊下学集』・『早大本節用集』・『明応五年版節用集』・『元和三年板下学集』・『新刊節用集大全』などに「ホロ」、『易林本小山板節用集』に「縞[絵−会+晃](シロキトバリ)」とある。『大谷大学本節用集』に「ホラ 母衣 同」、『和字正俗通』に「ホコ」とあるのは「ホロ」の誤りか。
- 【繊】 『中華字海』に「同纖。字見日本〈常用漢字表〉」、『大漢和辭典』に「セン 纖の略字」とある。「纖」の和製異体字か。
- 【繧】 『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』に「繧[繝−月+日] ウンケン」、『明応五年版節用集』に「繧繝 ウンケン」とある。
- 【纃】 「絣」の意の国字とされることがあるが、『漢語大字典』などが『大唐新語』から引用する。「緕」とともに国字ではないと考えられる。「緕」を参照。
- 【纐】
- 【聢】 『異體字辨』・『和字正俗通』・『倭字攷』・『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「シカト」、『同文通考』に「シカト 定辭」、『國字考』に「シカト 古本節用集に見ゆ(下略)」とある。『国字の字典』が「確(しか)と。耳で定かに聞く」意の国字とする。
- 【舮】 青森県西津軽郡深浦町に大字舮作(へなし)がある。
JISや『大漢語林』などの漢和辞典で「艫」の異体字・俗字とされる。この旁が「戸」になることは、中国でもごく一般的である。この字もあると思われるが、『中華字海』には「音義待考。字出《ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。『難訓辭典』に「陸奥國西津輕郡舮(へなし)村」とある。こちらは、「舮」の後の「作」がない。表記がかわったのであろうか。
- 【草−早+刈】 『大辭典』國字表に「カル」とある。『漢語大字典』・『中華字海』ともに「同刈」とのみあり、典拠がない。「刈」の異体字であることには間違いないが、日中いずれでできたものか詳しいことはわからない。『明朝体活字字形一覧』の「国文五号
1887年」・「国文四号1887年」・「築地二号1894年・1906年」・「築地五号1894年・1913年」・「築地三号1912年・1935年」・「博文四号1914年」など多くの活字総数見本帳にこの文字がある。
- 【草−早+宅】 苗字に[草−早+宅](ところ)がある。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『弘治二年本倭玉篇』に「トコロ」、『字鏡鈔』・『字鏡抄』・『字鏡集寛元本』に「タク トコロ コモル」、『玉篇要略集』に「トコロ タク」、『同文通考』に「トコロ [草−早+解]也一[草−早+(安−女+ヒ)]」、『國字考』に「トコロ 一作[草−早+(安−女+ヒ)]延喜式に見え(下略)」とある。
- 【萢】 苗字に鎌萢(かまくさ)・釜萢(かまやち かまやつ)がある。青森県の地名に後萢(うしろやち)・下萢(しもやつ)・前萢(まえやち)がある。『法華三大部難字記』にやや崩れた字形で「クチハ」とある。MSゴシック体で表示される「
萢」は『中華字海』に「姓」で使われるとあり、前後関係の調査が必要だが、「萢」も和製異体字ではあっても国字とはいえない可能性がある。『難訓辭典』に陸奥國北津輕郡横萢(ヨコヤチ)村とある。
- 【草−早+枕】 『同文通考』に「クタビレ 勞倦也」、『漢字の研究』(我國にて制作したる漢字)に「クタビル」とある。[草−早+(村−寸+火)]参照。
- 【草−早+店】 『万葉集』にあり、「苫」の異体字ともいわれるがはっきりしない。
- 【萩】
- 【蓙】
- 【蓚】 『岩波新漢語辞典』が、「蓚酸」と使う国字とするが、『説文通訓定聲』などにあり、国字ではない。笹原宏之著『JIS漢字と位相』に「中国に古くからこの意味で用例がある」とある。
- 【草−早+配】 苗字に[草−早+配]島(はいしま はいじま)がある。
- 【草−早+責】 『名義抄(観智院本)』に「アツマル アヤマツ」、『音訓篇立』に「アヤマル」、『篇目次第』に「アヤマツ 无」とある。
- 【蘰】 苗字に蘰(かずら)がある。万葉集にも使われる古い字で、『國字考』に「カツラ」とあり、『国字の字典』が「葛(かずら)」の意の国字とする。『倭字攷』に「カツラ 古事記傳六、万葉に波祢蘰(ハ子カツラ)トアリ、コノ物、草ニテモ、糸ニテモ造ル故ニ設ケタル字ニヤ」、『玉篇略』に「マン ハナカツラ」、やや崩れた字形で『音訓篇立』に「カツラ」、『法華三大部難字記』に「ハナカツラ」とある。
- 【草−早+鬘】 『皇朝造字攷』に「カツラ」とあり、『国字の字典』が「葛(かずら)」の意の国字とする。草冠は4画。
- 【草−早+龝】 『広漢和辞典』・『大漢語林』などに「国字 はぎ。=萩」とするが典拠はない。いずれも[草−早+龝]の草冠は4画である。
- 【蚫】 『新撰字鏡小学篇』に「阿波比」とあり、『国字の字典』が「鮑」の意の国字とする。『有坂本和名集』に「アハヒ」また「アワヒ」、『運歩色葉集』に「アワヒ」、『米沢文庫本倭玉篇』に「アハヒ」、『元和三年板下学集』に「アブ」、『天正十七年本節用集』に「アワビ」、『弘治二年本節用集』に「鮑 アワビ 蚫 イ」、『永禄二年本節用集』に「長蚫 ノシ」、『同文通考』に「アハビ 石决明也」とある。『弘治二年本節用集』の注文の「イ」は、「蚫」が「鮑」の異体字であることをあらわしている。アワビの意の国字とされることが多いが、『字彙補』に「白交切」とある。『漢語大字典』・『中華字海』が『夢梁録』を引いて「同鮑」とする。意味も日中同じで、国訓ですらないと思われる。ただ「夢梁録の文章だけでは、蚫が鮑の意で用いられていることは、わからない。日本の意味から同鮑としたのかもしれない。」とする説もある。そうだとすると「あわび」は国訓ということになるのだろうか。
- 【蛯】 『大字典』に「國字 エビ 海老とかき、エビと訓ず是より老と虫を合せ其義を示すか。渡島國茅部郡に蛯谷(エビヤ)村といふあり。」とある。蛯谷村は、茅部郡鷲ノ木村から明治8年に棒美・蛯谷古丹をもって分村して成立している。蛯谷古丹は、『角川日本地名大辞典』によると、江戸期から見える地名で、享保
13年に最初の定住者があり、延享2年には蛯谷稲荷神社が創建されている。そのほかに江戸期から見える地名として、福島県相馬郡小高町蛯沢(当時は、蛯沢村)がある。このように地名としては、江戸期から見えるものの、節用集などで発見できない。字源説としては、『大字典』のものも否定できないが、節用集などで発見できないことからすると、「老と虫を合せ」作られたとするよりも、[蝗−皇+耆]の異体字としてできた可能性の方が高いのではなかろうか。「老と虫を合せ」作られたのであれば、江戸期に地名以外でももっと普通に見られ、節用集などにも登録されるはずであると考えられる。[蝗−皇+耆]・[蝗−皇+(老*目)]参照。
- 【蝗−皇+耆】 苗字に[蝗−皇+耆]原(えびはら)・[蝗−皇+耆]沢(ひれさわ)がある。『増刊下学集』・『早大本節用集』に「エビ」とある。「耆」には、老人の意があるから、「老人のように腰の曲がった虫」の意で作られた国字か。[蝗−皇+(老*目)]は、[蝗−皇+耆]の異体字と推定される。「蛯」は、江戸期には地名にみられるものの、節用集などで発見できない。[蝗−皇+耆]の異体字としてできたものと考えられるが、地名以外では普通には使われていなかったのであろうか。「蛯」・[蝗−皇+耆]参照。
- 【蟐】 『新撰字鏡享和本』に「毛牟又世牟」とあり、『国字の字典』が「蝦蟇(もみ)。赤蛙(あかがえる)の異称」の意の国字とする。『中華字海』に「音義待考。字出《
ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。『偏旁冠脚の字典』に[好−子+常]」の宛字とある。典拠はあるのだろうか。
- 【蝗−皇+(瞞−目)】 『大漢和辭典』に「國字 蜘蛛類に屬する一種の小蟲」とあるが、典拠はない。笹原宏之氏が『異体字・崩し字に字源俗解を介した漢字の国字化』で[蝗−皇+{草−早+(肭−月)}]が、[蝗−皇+(瞞−目)]なったことを50種あまりの典拠をもとに解明している。国字とはいえないが、和製異体字の可能性はある。
- 【蝗−皇+(老*目)】 『大谷大学本節用集』に「エビ [鮎−占+(蝦)−虫]又海老」、『天正十七年本節用集』に「エビ」とある。『大谷大学本節用集』に「耆」の異体字と考えられる[老*目]があり、「ヲキナ」とある。[蝗−皇+耆]が「老人のように腰の曲がった虫」の意で作られ、その異体字としてできたものか。国字には違いない。蛯・[蝗−皇+耆]参照。
- 【蝗−皇+厨】 『拾篇目集』に「チ反 クモ」、『法華三大部難字記』に類似した字形で「クモ」とある。『国字の字典』は「現代名歌選」を引き「蚊帳」の意の国字とするが、作者の個人的な用字法か。『中華字海』に「音義待考。字出《
ISO-IEC DIS 10646通用編碼字符集》」とある。台湾の規格にあるが未調査である。『中文大辭典』にはない。
- 【蝗−皇+憂】 『篇目次第』に「タマムシ 无」、『慶長十五年本倭玉篇』に「イウ タマムシ」、やや崩れた字形で、『字鏡鈔』・『和字正俗通』に「タマムシ」とある。
- 【袰】 青森市の地名に袰懸(ほろかけ)があり、苗字に袰(ホロなど)・袰地(ホロチ ホロジ)・袰川(イヤカワ ホロカワ ヤンカワなど)・袰岩(ホロイワ)・袰野(ホロノ)・袰高(ホウタカ ホロタカ)などがある。『増刊下学集』・『明応五年版節用集』・『弘治二年本節用集』・『永禄二年本節用集』・『易林本小山板節用集』・『新刊節用集大全』・『倭字攷』などに「ホロ」とあるが、いずれも「母衣」と二字である。
- 【]】 苗字に](エナ)がある。『名義抄(観智院本)』に「ヱナ」、『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『明応五年版節用集』に「エナ」、『易林本小山板節用集』に「ホロ」とあるが、『名義抄(観智院本)』以外は、いずれも二字である。
- 【裃】 『文字ノいろいろ』(國字)に「かみしも」とある。(解説途中)
- 【裄】 ゆき。衣服の背縫いから袖口までの長さの意を表す国字。『中華字海』に「同絎」とあるが典拠はなく新しい文字か。国字であることは間違いないであろう。
- 【褂】 『名義抄(観智院本)』に「ウチキ」、『世尊寺本字鏡』に「ウチキ カク」とある。『古辭書音義集成18字鏡(世尊寺本)假名索引』は国字とする。『大漢和辭典』が『通雅』・『清會典』を典拠として「ひとへのはだぎ・いくさごろもの一・清代禮服の名」とする。国字ではない。
- 【褄】 『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』に「重褄閨の小夜衣(かさねずま
)初演」とある。『日本人の作った漢字』は山田俊雄氏の『近世常用の漢字−雑俳『新木賊』の用字について−』から「つま」と引いて国字とする。
- 【襷】 『倭名類聚抄(元和古活字那波道圓本)』に「續齊楷記云織成襷本朝式用此字云多須岐今案所出音義未詳」とある。佚存文字であろうか。『色葉字類抄(永禄八年写二巻本)』・『同文通考』・『和字正俗通』・『國字考』に「タスキ」とある。字形が[袖−由+舉]となるものもあるが、別字ではなく、書写体である。
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